台湾で自転車を公共交通機関に持ち込む方法

[この記事の最終更新:2025年2月]

自転車を持って移動する際、台湾ではさまざまな公共交通機関を利用できる。私の経験をもとに、台北MRT、桃園MRT、都市間バス、高速鉄道、台湾鉄道への自転車の持ち込み方法を紹介する。

桃園MRT・台北MRTでの自転車持ち込み

一部の例外的な駅を除き、桃園MRT台北MRTは、平日10:00~16:00と週末・祝日は終日、輪行袋なしで自転車を持ち込むことが可能だ。さらに、2022年6月20日から台北MRTでは平日22:00以降の時間帯にも自転車の持ち込みが可能 となった。

利用方法

  • 乗車券はサービスカウンターで購入する。
  • スタッフが案内し、専用の入り口 から改札内に入る(通常、サービスカウンターの隣にある)。
  • 階段やエスカレーターの利用は禁止 されているため、エレベーターを使用 する。
  • 自転車は先頭車両と最後尾車両のみ乗車可能。
  • 他の乗客の邪魔にならないように配慮し、安全確保を心がけること。

降車時の手続き

  • 改札を出る際は、サービスカウンターで自転車のチケットを返却 し、再び専用の入り口 から駅の外に出る。

私は主に週末にこのサービスを利用 している。通常、列車内はあまり混雑していないが、例外的に混雑する場合もある。特に乗り換え駅に近づくと、乗客が増えて自転車の取り回しが難しくなることがある。例えば、紅樹林駅で乗車した際、最初は空いていたが、市中心部に近づくにつれ乗客がどんどん増え、乗り換え駅で降りられなくなったことがある。また、観光エリアの駅(例:西門駅)は特に混雑しやすい。これらの駅では、ベビーカー、年配の乗客、大きなスーツケースを持った観光客が多く、エレベーターの利用も非常に混み合う。そのため、こうした駅で乗降するよりも、一つ前または一つ後の駅で乗り降りする方がスムーズ になることが多い。

以下の駅では輪行袋なしでの自転車持ち込みは禁止 されている。リストは随時更新する予定だが、最新の情報は台北MRTの公式ページで確認することを推奨する。

輪行袋なしで自転車持ち込み不可のMRT駅

  • 文湖線および環狀線の全駅
  • 淡水站
  • 台北車站
  • 忠孝新生站
  • 大安站
  • 忠孝復興站
  • 南京復興站

高雄MRTでの自転車持ち込み

高雄MRTでは、オレンジラインとレッドラインで営業時間内はいつでも自転車の持ち込みが可能だ。

利用方法

  • 駅のサービスカウンターでチケットを購入 (自転車+乗客でNTD 60)
  • エレベーターまたはスロープを利用してプラットフォームへ移動
  • 列車の最前車両(First Car)に乗車する(台北や桃園MRTとは異なり、最前車両のみ利用可)

詳しい情報は公式サイトを参照:高雄MRT公式ページ

高雄は交通量の多い都市だが、MRTを利用することで市街地の混雑を避けてスムーズに移動できる。

都市間バスでの自転車持ち込み

台湾の6大直轄市 やほとんどの中規模都市には「バスステーション」が設置されている。毎日、数多くのバスがバスステーション間を高速道路 を通って運行しており、鉄道や国内線の航空路線を補完する広範な都市間バスネットワーク を形成している。

主な都市間バスの運行会社

  • 國光客運
  • 統聯客運
  • 阿羅哈客運
  • 和欣客運
  • 日統汽車客運

これらのバスには通常、座席デッキの下に大きな荷物収納スペースがあり、トイレも完備されている。各バス会社は自転車の持ち込みに関する独自のルールを設けている。輪行袋なしの自転車を荷物収納スペースに置けるが、乗客運賃の半額が追加料金としてかかる場合がある。輪行袋に収納すれば無料で持ち込み可能な場合もある。私は週末にこのバスを利用したことがあるが、荷物収納スペースはほとんど空いていた。

夜行バスの利用について

台北と高雄・台南などの南部都市を結ぶ夜行バスも運行されており、リクライニングできる広々とした座席で寝ながら移動可能。以前、深夜0時発の台南行きの夜行バス に乗車し、車内で仮眠を取ってからサイクリングを開始しようとした。しかし、高速道路の街灯の点滅がまぶしく、アイマスクが必須だった。なんとか寝ることができたが、午前3時30分に運転手に起こされた。予定では5時間の移動だったが、深夜の交通量が少ないため、わずか3時間で台南に到着してしまった。

公式の都市間バス情報はこちら台湾観光局 – 都市間バス概要

台湾高速鉄道での自転車持ち込み

台湾高速鉄道(HSR)は西海岸を縦断し、台北と高雄を効率的に結ぶ移動手段である。台湾鉄道(TRA)や都市間バスで台北〜高雄を移動する場合、4〜6時間かかるが、HSRなら最短1時間45分で到着できる。

HSRでは、自転車を持ち込む場合は輪行袋に収納し、前後の車輪を取り外す必要がある。さらに、以下のサイズ・重量制限を満たす必要がある。

  • 各辺の長さが150cm以下
  • 幅・長さ・高さの合計が220cm以内
  • 重量40kg以下

車内での自転車の保管

  • 列車内では、自転車は各車両に設置されている大型荷物専用スペースに置く必要がある。
  • ただし、荷物スペースがすでに埋まっている場合 は、最後尾の3列シートと壁の間のスペースに自転車を置くことも可能。ただし、このスペースは正式な荷物置き場ではない点に注意。

自転車トラベルケースのサイズ制限と座席予約について

220cmの制限を超える自転車トラベルケースを持っている場合、1~5号車の指定席を1席または2席購入することで持ち込むことが可能。ただし、ケースの寸法には以下の制限があり、HSRが発表するピークシーズンにはこのオプションは利用不可。

  • 高さ:120cm
  • 長さ:100cm
  • 幅:35cm
  • 高さ+長さ+幅の合計:240cm以内
  • 重量:40kg以内

2020年の台湾高速鉄道(HSR)の自転車持ち込みルール変更 について、Diane Sさんからのメールで情報を得た。その後、HSRの公式ウェブサイトを確認し、カスタマーサービスに問い合わせた結果をもとに、このセクションを2021年5月7日 に更新した。正確な情報の維持にご協力いただいたダイアンさん、ありがとうございます!

台湾鉄道での自転車持ち込み

台湾鉄路管理局(TRA)は、台湾全域をカバーする広大な鉄道ネットワーク を運営している。私はサイクリング旅行の際に最もよく利用する交通手段だ。TRAは、列車の設備やルールの面でより自転車フレンドリーな環境を整備 しているが、公式ウェブサイトの情報は分かりにくいことがある。そこで、ここでは基本情報を簡単にまとめる。

このセクションの最後に、最新の情報を公式サイトで確認する方法も紹介する。

輪行袋に収納すればすべての列車に持ち込み可能

輪行袋に収納すれば、すべてのTRAの列車に自転車を持ち込める。持ち込み可能なサイズ制限は、台湾高速鉄道(HSR)と同じ である。

  • 各辺の長さが150cm以下
  • 幅+長さ+高さの合計が220cm以内
  • 重量40kg以下

注意点

  • 乗客自身が自転車の管理を行い、他の乗客の迷惑にならないようにする
  • 普悠瑪号(Puyuma Express)に乗車する場合は、1号車または8号車の「大型荷物スペース」に自転車を置く必要がある
  • TRAは自転車の安全管理に責任を持たない

台北周辺の小さな町で日帰りサイクリングをする際には、通常、ローカル列車/準急列車(區間車)を利用する。これらの車両は地下鉄に似ており、中央部分が広々としている。この列車はほぼすべての駅に停車し、通常1時間に3~4本運行されている。切符のシステムも地下鉄と似ており、乗車日と出発駅・到着駅のみが記載されている。座席指定や列車番号の指定はなく、どのローカル列車にも乗車でき、座席は先着順となる。週末の早朝に出発することが多く、大きな荷物(輪行袋に入れた自転車)を持っていても、列車が混雑していることはほとんどない。通常、写真のように自転車を置くことができる。しかし、ラッシュアワーの時間帯では状況が異なる可能性がある。

私はこれまで、對號列車(座席指定列車)、つまり普悠瑪号(Puyuma Express)、莒光号(Chu-Kuang Express)、自強号(Tze-Chiang Limited Express) に自転車を持ち込む機会がなかった。これらの列車は運行本数が少なく、大きな町にしか停車しないためだ。座席はすべて前向きに並べられており、床のスペースは座席で占められている。自転車を置くことができるのは、高速鉄道と同様に、最後尾の座席列の後ろの狭いスペース しかない。

輪行袋なしで自転車をそのまま列車に持ち込む(自転車持ち込み乗車)

乗客は、指定された一部の列車 において、輪行袋なし(裸のまま)の自転車を持ち込むことが可能。この場合、乗車券の半額に相当する自転車専用のチケットを購入 する必要がある。

ただし、すべての駅が輪行袋なしの自転車を改札内に持ち込むことを許可しているわけではない。例えば、台北駅(Taipei Main Station)では持ち込み不可。そのため、仮に列車がこれらの駅に停車するとしても、乗車や降車はできない ので注意が必要。

ローカル列車/準急列車

多くの**ローカル列車/準急列車(Local Trains / Semi Express Trains)**では、輪行袋なし(裸のまま)の自転車の持ち込みが可能。前述の通り、乗客用のチケットは当日中のローカル列車/準急列車であればどの列車でも利用可能で、座席の指定はない。しかし、自転車用のチケットは異なる。輪行袋なしの自転車を持ち込む場合、対象となる特定の列車のチケットを購入する必要があり、持ち込みは1号車または最後尾の車両に限定される。

以下の写真のように、自転車用のチケット(左側)には列車番号が記載されているが、乗客用のチケットにはその情報がない。

私はいつも指定された列車に乗り、自転車用のチケットを購入するようにしている。なぜなら、自転車を袋に入れて運ぶのが面倒だから だ。そのため、時には何本かの列車を見送る必要がある。

また、その日の自転車用チケットがすべて売り切れてしまうこともある。そんな時のために、輪行袋を予備として持っておく ことにしている。

急行列車

一部の急行列車でも輪行袋なし(裸のまま)の自転車を持ち込むことが可能。

指定された車両には自転車ラックが設置されており、安全に自転車を固定できるため、近くの座席に座って快適に移動できる。列車によって異なるが、自転車ラックの数は15~45台分。また、チケット購入時に自転車ラックの予約も可能。

これは最も快適な輪行方法だが、運行本数が少なく、自転車ラックの数にも限りがあるため、事前の計画が重要となる。

こちらが該当する列車番号のリスト。残念ながら、この情報は中国語のみで提供されている。後ほど、オンラインで列車の時刻表を検索する方法を説明する。

駅Aで自転車を預け、駅Bで受け取る(手荷物託送サービス)

台湾各地にある約50の鉄道駅では、個人手荷物の配送サービス を提供しており、リーズナブルな価格で自転車を送ることが可能。自転車も個人手荷物として扱われ、通常1日で目的地の駅に到着し、受取人が受け取れる状態になる。また、到着後2日間は無料で保管 されるが、3日目以降に引き取られない場合は追加料金が発生 する。

このサービスを提供する「行包中心/行李房」は、必ずしも駅のメインビル内にあるとは限らない。しかし、駅のスタッフに尋ねれば案内してもらえる。

以下の地図では、このサービスを提供する駅をトラックのアイコンで表示 している。

(最終更新日:2022年11月29日。最新の情報については、台湾鉄路管理局の公式ウェブサイトをご確認ください。)

手荷物託送サービス(鉄道による自転車輸送)を提供している駅のリスト
Northern Taiwan
Keelung 基隆Qidu 七堵Songshan 松山Wanhua 萬華Shulin 樹林
Taoyuan 桃園Zhongli 中壢Yangmei 楊梅Hukou 湖口Zhubei 竹北
Hsinchu 新竹Nan’ao 南澳Dong’ao 東澳Su’ao 蘇澳Su’aoxin 蘇澳新
Luodong 羅東Yilan 宜蘭Shuangxi 雙溪Ruifang 瑞芳
Central Taiwan
Zhunan 竹南Yuanli 苑裡Dajia 大甲Qingshui 清水Shalu 沙鹿
Changhua 彰化Yuanlin 員林Tianzhong 田中Ershui 二水Linnei 林內
Douliu 斗六Dounan 斗南

(2023年10月更新:田中駅では、工事のため現在自転車託送サービスが一時停止中。)

Southern Taiwan
Dalin 大林Chiayi 嘉義Xinying 新營Longtian 隆田Shanhua 善化
Tainan 台南Gangshan 岡山Nanzi 楠梓Fengshan 鳳山Pingtung 屏東
Chaozhou 潮州Linbian 林邊Fangliao 枋寮
Eastern Taiwan
Taitung 台東Guanshan 關山Yuli 玉里Ruisui 瑞穗Fenglin 鳳林
Shoufeng 壽豐Hualien 花蓮Xincheng (Taroko)
新城 (太魯閣)

このサービスが大好き!このサービスは、私にとってとても便利で自由度が高い。台湾で最初のサイクリング旅行をしたとき、自分がどこまで走れるのか分からなかった。でもこのサービスがあったおかげで、「もう十分楽しんだ」と思ったタイミングで自転車を台北に送り、観光モードに切り替えることができた。また、不要な荷物やお土産を一時的に預け、後で好きなタイミングで受け取る こともできた。

ただし、事前に計画を立てる際は、必ず利用予定の「行包中心/行李房」に連絡し、その日に自転車を送れるか確認することを強くおすすめする。なぜなら、春節(旧正月)の前日など、列車が非常に混雑すると予想される日は、自転車の託送サービスが一時的に利用できなくなる場合がある からだ。念のため、事前に確認しておくに越したことはない。

台湾鉄道(TRA)の公式サイトでのサイクリスト向け情報

TRAの英語版ウェブサイトでは、各ページの恒久的なリンクがない場合がある。つまり、必要な情報にたどり着くためには、サイトのトップページから順にナビゲートしなければならないことがある。

以下は、サイクリスト向けサービスのページへアクセスする方法。スクリーンショットはスマートフォン版のものだが、デスクトップ版でも同様の手順で操作可能。

1. 以下のリンクをタップ(またはクリック):TRA英語版サイト → 英語版のTRA公式サイトが開く。

2. ナビゲーションメニューを開き、「Tour package booking」をタップして展開。→ 「Bicycle-friendly train(自転車持ち込み可能な列車)」のページにアクセス可能。デスクトップ版の場合:「Tour Ticket(観光チケット)」を探してそこからアクセス。

3. 「Bicycle-friendly train」ページでは、これまで紹介したサービスに関する3つのセクション を確認できる。

  • Bicycle Boarding(裸のままの自転車持ち込み)
  • Checked Bicycles(駅Aで自転車を預け、駅Bで受け取る)
  • Carrier Bag(自転車を袋詰めしてすべての列車に乗車可能)。自転車袋の要件に関する詳細情報はこちらで確認可能。

申し訳ないのですが、自転車専用車両の予約に関しては、実際に利用した経験がないため、共有できる情報がありません。

自転車の空席状況の確認方法

「Bicycle Boarding」ページには、急行列車および普通・準急列車に関する詳細な説明が記載されている。

自転車の持ち込みが可能な列車やチケットの空席状況を確認するには:「Bicycle vacancies inquiry(自転車空席照会)」をタップ。→ 裸のまま自転車を持ち込める列車の運行状況とチケットの空き状況が確認可能。

検索画面に表示される重なった2つのボタンに惑わされないように注意。

  • 左のボタン → 急行列車(Express Trains)を検索
  • 右のボタン → 普通・準急列車(Local/Semi Express Trains)を検索

また、裸のまま自転車を持ち込める普通・準急列車の本数は多く、小さな駅にも停車するので、より柔軟な旅程を立てやすい。

予約の具体例

例えば、2020年10月8日に松山発・台中着の急行列車を検索したところ、2つの結果が表示された。検索結果には、「10 empty seat(自転車用の空席が10席)」と記載されていた。グレーの「訂票」ボタンをタップすると、チケットの予約が可能。

予約には以下の情報が必要:

  • パスポート番号の入力
  • チケット受取時にパスポートの提示

この手順で、特急列車に自転車を持ち込む際の予約が完了する。

020年10月8日に松山発・新烏日着の急行列車を検索したところ、「No data found(データが見つかりません)」と表示。この場合、両駅を直接結ぶ特急列車は運行されていないことを意味する。

他の駅の組み合わせを試すことで、適切な列車が見つかる可能性がある。

普通・準急列車(Local/Semi Express Trains)の検索

右側のボタンをタップすると、普通・準急列車の検索結果が表示される。例えば、2020年10月8日に松山発・鶯歌着の列車を検索したところ、24件の結果が表示された。オンライン予約ボタンはなし。このタイプの列車は、オンラインでの事前予約が不可。乗車日の3日前から駅の窓口で購入可能。